毛髪研究 最前線アレルギーリスク大幅減で艶やかな発色を実現。日華化学が特許出願した世界初※1の新規染料ヘアカラー用『グロス染料』誕生

2018/6/12

1941年の設立以来、界面活性技術を中心に多彩な製品、サービスを提供する日華化学株式会社(本社:福井県福井市、代表取締役社長:江守 康昌、証券コード:4463)は、従来のヘアカラー用染料とは異なる世界初の新しい染料の開発に成功し、2018年1月に染料に関する特許を出願致しました。当社の頭髪用化粧品ブランドであるデミ コスメティクスはこの染料を『グロス染料』と名付け、今後製品開発をして参ります。

【グロス染料について】

日華化学の界面科学・高分子化学を中心とするサーフェスサイエンス技術と、頭髪用化粧品ブランドであるデミ コスメティクスの持つ毛髪科学や皮膚科学に基づいた浸透・染色技術を集結して開発されたのが『グロス染料』です。長年培った当社の合成技術を活用し、アレルギーリスクの低減に努め、地肌にやさしく、艶やかな発色を実現する新しい染料です。

【グロス染料と既存染料の違い】

現在、ヘアカラー用の染料には主に、アルカリカラーに含まれる「酸化染料」、ヘアマニキュアに含まれる「酸性染料」、カラートリートメントに含まれる「塩基性染料」、ヘナ等の「植物染料」の計4種類が存在しています。それぞれの染料の特徴として「酸化染料」(アルカリカラー)は分子が小さくアルカリ剤によって髪の内部まで浸透し、過酸化水素の働きにより染料同士が結合(酸化重合)して発色します。しかし、アルカリ剤や過酸化水素は髪へのダメージや頭皮への刺激を引き起こす要因となります。また、分子の小さな酸化染料が頭皮に入り込むことで、アレルギー反応を起こす可能性があります。
一方で「酸性染料」「塩基性染料」「植物染料」は分子が大きく、髪の内部までは浸透せずに表面に染着するため髪や頭皮への刺激が少ない一方、染毛力が弱いまたは皮膚に染まりやすい傾向にあります。
この度、当社が特許を出願した『グロス染料』は髪へのダメージや頭皮への刺激がなく、大幅にアレルギーリスクを低減でき、さらに美しい発色も実現するという、既存染料の優れた特長を併せ持つ、これまでにない新しい染料です。

日華化学の技術『グロス染料』がもたらすヘアカラーのメリット

  • ジアミンフリー※2でアレルギーリスクを大幅に低減。
  • アルカリ剤※3・過酸化水素フリーでダメージレス、低臭、低刺激のカラーリング。
  • くすみの原因となる異性体※4を含まないため彩度が高い発色に。

【アレルギーリスクを大幅に低減】

『グロス染料』は、酸化染料よりも分子が大きい二量体※5の染料です。頭皮に入り込みにくく、アレルギーリスクを大幅に低減します。

【ダメージレス、低臭、低刺激のカラーリング】

アルカリ剤・過酸化水素フリーでダメージレス・低臭・低刺激のカラーリングが可能になります。酸化染料は毛髪内に浸透し、過酸化水素の力で染料同士が結合(酸化重合)することで発色しますが、『グロス染料』はすでに発色している染料のため、過酸化水素を使う必要が無く、酸化によるダメージレスで染色を実現します。また、この『グロス染料』は髪のキューティクル層付近に染まりやすい特徴を有し、髪に自然なツヤを表現できます。

【くすみにくく彩度が高い発色】

『グロス染料』は二量体染料を精製しているため、不要なにごり・くすみのないピュアな発色が得られます。酸化染料は複数の染料が様々な組み合わせで結合するため、目的の色を表現する色素とは別の色素(異性体)が発生し、にごり感やくすみ感が出てしまいます。

※1 PCPC(米国化粧品工業会)において、当該成分のINCI名(化粧品成分の国際名称)を世界で初めて取得しました。
※2 パラフェニレンジアミン(酸化染料)を配合していません。
※3 アンモニア、モノエタノールアミンを配合していません。
※4 異性体とは酸化染料の重合時に発生する目的色とは異なる染料物質のことを指します。異性体は発色時にくすみの原因となります。
※5 二量体とは分子2個が結合してできた化合物です。