1.紫外線とは
季節と紫外線量
太陽から降り注ぐ紫外線量は、一年通して同じではありません。特に5月から9月頃までは紫外線量が多い日が続きます。このような時期は、しっかりと紫外線対策することをオススメします。
天気と紫外線量
気の変化によっても紫外線量は大きく変動します。晴、薄雲、曇、雨と天気が変化するにつれ、快晴の場合と比べて紫外線量は減少していきます。しかし、雲があるからといって安心はできません。薄曇でも90%近くの紫外線が地上に降り注いでいます。晴の日はもちろん、薄曇の日でも紫外線対策をしっかりしましょう。(引用元:天気と紫外線量(UVインデックス)の関係 気象庁HP)
紫外線の種類
紫外線にはA、B、C 3つのタイプがあります。
- UV-A
- 太陽から届く紫外線のうち大部分(95%以上)を占めています。UV-Bほど有害ではないが、長時間浴びた場合の健康影響が懸念されます。
窓ガラスや雲も透過して肌の奥まで届きます。
- UV-B
- ほとんどは大気層などで吸収されますが、一部(約5%)は地表へ到達し皮膚や目に影響を与えます。(窓ガラスである程度はカットされます)日焼け、皮膚がんの原因となります。
- UV-C
- オゾン層などで吸収され、地表には到達しません。
地表に届くUV-Bはわずか5%程度ですが人体に与える影響が大きいため、外にいるときは特にUV-Bに気をつけましょう。またUV-Aは窓も通ってしまうので、屋内にいる場合でも紫外線に気をつけましょう。ちなみに、スキンケアではUV-Bをカットする目安にSPFが、UV-Aをカットする目安にはPAが用いられております。
2.肌と紫外線
紫外線は日焼けやシミ、そばかすの原因になったり肌の老化を早めたり、体の免疫力を低下させる事が最近の研究でわかってきているようです。一方で、カルシウム代謝に重要なビタミンDを作ったり、殺菌効果を発揮したりします。
全般的な影響
- 良い影響
- ・ビタミンD3を作る
・皮膚病の治療に用いられる(光線治療)
・殺菌効果
- 悪い影響
- <急性>・日焼け・免疫機能低下
<慢性>・皮膚~シワ・シミ・良性腫瘍・前がん症、皮膚がん・白内障
- UV-B
- 皮膚に対する刺激はやや強く、長い時間UV‐Bを浴びた皮膚は、赤くなったり、軽いやけどのような症状を生じることがあります。
海水浴に行って、顔や肩、背中が赤くなってヒリヒリするのはUV-Bによる日焼けが原因です。
- UV-A
- UV-Aは表皮の最下層から真皮と呼ばれる組織にまで達し、メラノサイト(メラニンを作り出す細胞)の活動を活性化させる作用を持っています。
皮膚の色を黒くする日焼けの原因となっているのがこのUV-Aです。
3.日焼け止めについて
日焼け止めの成分
紫外線から肌を守る成分は、紫外線散乱剤と紫外線吸収剤にわけられ、日焼け止めには数種類が組み合わされて配合されています。
- 紫外線吸収剤
- ・UV-Bを吸収するものは多く、UV-Aまで吸収できるものは少ない
・紫外線を吸収して、別のもの(熱など)に変換する
・白浮きしにくい
・代表的な化合物(表示名称)
-メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
-オクトクリレン
-ジメチルPABAエチルヘキシル
- 紫外線散乱剤
- ・紫外線をはねかえす
・白浮きしやすい
・代表的な化合物(表示名称)
-酸化亜鉛
-酸化チタン
SPF・PA表示について
- SPF
- UV-Bを防ぐ効果を表したものです。数値が高いほど効果が高く、SPFが50を超えるものは「50+」と表わします。
- PA
- UV-Aを防ぐ効果を表したものです。PAは「PA+」、「PA++」、「PA+++」、「PA++++」のいづれかで表記され、+が多いほどUV-A防止効果が高いことを示します。
ただし、SPFやPAという指標は皮膚に対しての指標であって、毛髪に対してはSPFやPAといった指標であらわすことはできません。そのため、ヘアケア用サンスクリーン剤でSPFやPAといった指標を用いて紫外線防止効果をうたっている商品は現在ありません。デミでは紫外線防止効果の指標としてヘアカラーの褪色度合いを数値化して表してします。
また、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いてキューティクルのダメージを観察しています。
4.髪と紫外線
紫外線の毛髪への影響
毛髪は紫外線により乾燥、強度の低下、表面の粗雑化、色素や光沢の消失などの影響を受けます。しかし、その機構はまだ詳しく解明されていません。
通常、紫外線が毛髪に当たると紫外線は吸収され、毛髪を構成しているアミノ酸(シスチン、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファンなど)が酸化されて別の物質に変化してしまいます。こうなることで、毛髪を構成しているケラチンタンパクがダメージします。また毛髪のS-S結合が切れ、酸化によってシステイン酸(SO3H)が生成することでも毛髪がダメージします。プールや海水浴などで髪が濡れた状態で紫外線を浴びるとシステイン酸の生成が加速され、さらにダメージが大きくなります。
5.UVプロテクト効果のあるアイテム
ヘアカラー褪色防止効果データ
デミでは紫外線防止効果の指標としてヘアカラーの褪色度合いを数値化して表してします。
写真やグラフから、テクスチャーベール(M)※とウェーボ デザインポッド(パールスプレー)は色が薄くなっているのに対し、サンプロテクトベール※は彩度が高く、ヘアカラーの褪色を防いでいることがわかります。
また、5月から9月頃までは紫外線量が多い日が続きます。このような時期は、いつもお使いのヘアケアやスタイリング剤と併用してサンプロテクトベール※をご使用いただくことで、紫外線によるカラーの褪色を防止することが出来ます。このサンプロテクトベールはUV-A、UV-Bともにカットできる商品となっています。
SEM(走査型電子顕微鏡)による表面観察
夏の過酷な日差しは、髪をダメージさせるとともにヘアカラーの褪色も進めてしまいます。
デミでは紫外線防止効果の指標としてヘアカラーの褪色度合いを数値化して表してします。