くせ毛・白髪・抜け毛…大人の髪悩みにどう向き合う?伊熊奈美さんが教える、40代からのヘアケア

年齢とともに変化する髪質や白髪、くせ毛、抜け毛──。
「今までと同じケアではしっくりこない……」「どう向き合えばいいのかわからない……」と感じている方も多いのではないでしょうか。
今回は、くせ毛やエイジングによる髪の変化、頭皮ケア、白髪との付き合い方など、40〜50代の読者から寄せられたリアルな悩みに、美容ジャーナリスト・毛髪診断士の伊熊奈美さんが、日常に取り入れやすい考え方やケアのヒントをQ&A形式でお答えします。
具体的なヘアケアから、自分の髪と向き合うための考え方まで。
どんな方にも応用できるヒントが散りばめられているので、ぜひ気になるところから読んでみてください。
目次
【質問1】くせ毛に関して

前髪のくせが強く長らくストレートや縮毛矯正をかけてきました。縮毛は扱いやすいけど生え際がぺちゃんこになり、ボリュームダウンで寂しい印象に。活かしにくいくせ毛とうまく付き合っていく方法を知りたいです。頭からの多汗や梅雨、雨の日はもう何してもダメです、、
ーみゆ 40代女性
「長らく」ということは、みゆさんの場合は若い頃からくせがあるのですね。先天的なくせ毛は髪の構造的な要因によるくせ毛ですが、エイジングによって髪の水分や脂分のバランスが悪くなり、ますますくせが強くなることもあるでしょう。いずれにも使える解決への選択肢をいくつか挙げてみますね。ピンとくるものがあれば幸いです。
➀アウトバス&インバストリートメントでダメージを徹底抑制
くせやうねりは空気中の水分の出入りによって起こりやすくなります。髪内部のコルテックス層のバランスが不均一な先天的なくせ毛や、水分量の少ないダメージ毛やエイジング毛は、空気中の水分の出入りが激しくなり、広がったりうねったりしがち。何もつけない素の髪ですと、より湿度に翻弄されてしまうので、アウトバスアイテムで毛髪をガードして水分バランスを保ちましょう。ツヤが長持ちするタイプのヘアオイルやヘアバーム、セットスプレーなどで防御できます。アイロン仕上げをするなら熱で成分を閉じ込めるエマルジョンタイプのうねりケアアイテムもありますね。
また根本的に傷ませないことも大切なので、インバスケアもしっかりと。うねりを抑える製品は今のトレンドなので、楽しみながら探してみるのもいいでしょう。
➁思い切ってウエーブのパーマをかける
ある40代の有名モデルさんが、ウルフカットにゆるいボディパーマというスタイルで撮影にいらしたことがあります。とても素敵だったのでスタイルチェンジについて聞いてみたところ「くせと戦うのはもうやめて、毒を毒で制することにしたの(笑)」とさらりとおこたえ。それまではとにかくくせを伸ばすことしか考えなかったけれど、うねっているのだから、うねりをより強くして個性にしちゃえ、ということですね。私個人としては、顔のエイジングとの関係を考えると大人の女性はうねりや曲線のある髪はかえって似合いやすいのではないか、とも思うので、この方法は素敵だと思います。
ただ、どうしてもパーマは髪が傷みやすくなります。カラーとの兼ね合いや、髪質にもよるところがあるので、美容師さんとも相談して、ホームケアなどのメンテナンスも抜かりなく行いましょう。
➂くせ毛の上手な美容師さんを探す
これは出会えればラッキーというところがありますが…。実は、これまで多くの美容師さんとお会いする中で「自分のくせ毛をなんとかしたくて美容師になったんです」という方に何人も会ってきました。それらの美容師さんのお客さまはやはりくせ毛の方が多く、みな縮毛矯正をやめ、自分のくせを活かした素敵なスタイルになっていくことが多いんです。
みゆさんは前髪にくせがあるということでしたが、そういった方ですと、前髪をアシンメトリーにしたり、つむじの方から前髪にしてかぶせるようにしたり…。生え方に合わせたカットの仕方やスタイリングのテクニックがあるのです。SNSや雑誌、くせ毛の友人など、アンテナを目一杯伸ばして、みゆさんに寄り添ってもらえる美容師さんを探してみて。日本人は7割がくせ毛だといわれますし、意識していれば情報は集まってきますから、きっと出会えると思います。
【質問2】ヘアケアに関して
もともと髪が細く、やや薄毛気味です。
シャンプーの種類によっては、頭皮が乾燥してかゆみが出ています。
頭皮環境を改善し、髪質をより良くしてくれる、ヘアケア用品やシャンプー選びのポイントを教えていただけますか?(多くのお金もかけられないため)最低限やるべきことも教えてください。ーひろひろ 40代男性

ご質問ありがとうございます。男性こそ、毛量は気になりますよね。薄毛に気づいたこの瞬間から、長期的な視点で頭皮環境のケアをすれば成果は見えます! ひろひろさん含め、全男性にお伝えしたいです!
男性の頭皮はもともと皮脂の分泌量が多いのに水分が少ないというアンバランスな状態になりやすいのです。うるおい不足から慢性的な乾燥(インナードライ状態)を起こしやすく、かゆみやフケ、やがては頭皮のエイジングにつながりやすくなります。
ご質問はシャンプー選びのポイントということですが、私はスキンケアやヘアケアは常に「何を使うか」よりも「どうやるか」のほうが重要だと考えています。まずはふだん行っている洗い方を確認してみてください。
- 熱すぎないお湯(38〜40度くらい)を使い十分に頭皮をぬらす(予洗い)。
- 手に広げた適量のシャンプー(泡)を生え際、頭頂、後頭部と数カ所に軽く配置。このとき「髪」ではなく「頭皮」につけることがポイントです。
- 洗うときは、やみくもに手を動かすのではなく、頭の両サイドから指の腹で中央の正中線に向かって頭皮をぎゅーっと寄せていくように洗うことで余分な皮脂を落とす。特に生え際はしっかり!
- 手ぐしで髪に泡をなじませる。
- (option)手洗いが終わったら、シャンプーブラシを頭皮に当て、揺らすように使うと血流アップにつながる。
- すすぎは、襟足や前髪などにすすぎ残しがないように、シャワーヘッドを左右の手で持ち替えながらまんべんなく。
- コンディショナーは頭皮につけず、中間〜毛先だけ。
- ぬれたまま放置せず、必ずドライヤーで頭皮から乾かす。
アイテム選びですが、健やかな状態のときには男性向けのある程度洗浄力のあるタイプを。頭皮の乾燥やトラブルがあるときは、アミノ酸系やベタイン系のマイルドなシャンプーを選んでみてください。
また、細毛の背景には血流低下も関わりますので「スマホ・PC族」の方はこまめに肩や首のストレッチ、軽い運動などを取り入れて。毎日湯船につかることも血流が上がるのでおすすめです。
また、もし揚げ物やラーメンなどの脂っぽいものをお好みの場合は、少し回数を減らしてみてください。それだけでも頭皮の皮脂量が変わります。
【質問3】白髪に関して
白髪が気になり始めたとき、どのようなケアをするべきか悩んでいます。白髪が生えることは仕方ないと受け入れており、白髪とうまく付き合っていければいいなと思えるようになりました。ただ白髪を放置すると、見た目や清潔感が気になるようになってしまいました。
グレイヘアに移行するタイミングや、白髪の状態に合わせたケア方法、うまくカバーできる方法があれば教えてほしいです。ーかおちゃん 40代女性

かおちゃんさんの「うまく付き合っていければいいな」という考え方に私も大賛成です。白髪は年齢を重ねれば増えていく一方なので気づきにくいのですが、実は節目があるのです。大きな節目は全体の白髪率が50%を超えたとき。白髪が部分的なのか、全体的なのかという生え方にもよりますが、このくらいですと「白髪混じり」というより「グレイヘア」という雰囲気にもちこみやすいように思います。タイミングとしてはこのあたりからグレイヘアへ移行するといいでしょう。
カラートリートメントを使うと自然に移行できます。おすすめの手順は以下の通りです。
- 白髪染めをやめる。
- 新しく生えてきた根元部分を中心にカラートリートメントなどで週に1〜2度ケアする。この間に髪を短め (ショートやショートボブ)にすると早めに完成できる。
- 染めていない髪が眉上くらいまで来たら、徐々にカラートリートメントの頻度を減らす。
また、白髪をうまくカバーできる方法を、とのことですが、これもやはりカラートリートメントを取り入れると便利です。染まりにくい、と思ったら髪が乾いているときに使うとぐんと染まりがよくなります。つまりシャンプーとトリートメントの順番を逆転するのです。さらにカラー剤を塗るときに使う、コームのついたブラシを使うのもおすすめ。仕上がりの完成度が違います。
白髪でも黒髪でも、ひとつ大切なことがあります。それは髪に“お手入れ感がある”ということです。かおちゃんさんのおっしゃるとおり、清潔感は大人の女性に不可欠なキーワード。それを具現化したものが潤いとツヤです。それさえあれば、髪が何色であってもその方を美しく輝かせてくれるものです。
【質問4】秋の抜け毛に関して
秋の抜け毛により、分け目が目立ち前髪が気になるようになってしまいました。
原因や対策はありますか? ームック 50代女性
分け目が目立つと不安になりますよね。
実際、秋に抜け毛が増える、分け目が目立つように感じるというお声は大変多いです。
まず考えられるのは夏の紫外線によるダメージ蓄積です。紫外線は髪を通過して隙間から頭皮に当たりますし、無防備な分け目となれば、なおさら髪をつくる細胞にダメージを与えることが考えられます。また、間接的な紫外線のダメージもあります。それは皮脂を酸化させてしまうこと。酸化した皮脂は頭皮に残って毛穴の奥に入りこみやすくなります。夏は皮脂量自体が多く、シャンプーでもなかなか落としきれないことから抜け毛につながりやすくなります。
また、暑い夏から急に涼しくなるような昨今の季節変化は、自律神経が乱れやすくなっても無理はありません。結果、末梢の血流が低下しやすくなって、毛周期が乱れ、早く休止期に入ってしまうことも考えられています。
しかも50代はホルモンバランスの変化などで髪そのもののハリ・コシが落ちやすい時期。そのため、季節性の抜け毛に加えて、分け目が目立ちやすくなることもあります。
そこでこの時期は酸化した皮脂を落とすため、週に1〜2度シャンプーの代わりにディープクレンジングを取り入れて秋に向けて頭皮をリセットしましょう。毎日のシャンプーに目の細かいシャンプーブラシを使うこともおすすめ。秋冬の乾燥シーズンに向けて頭皮の準備をすすめてください。
またタオルドライ後は、頭皮用ローションやエッセンスで保湿をすることもお忘れなく。朝のローションタイムにおすすめの、分け目をぼかす小ワザがありますよ。分け目周辺に頭皮用ローションをつけたら、コームの先端で分け目と並行に髪を分け取ります(ブロッキング)。分け目に髪をかぶせ、手で頭皮をこするようにしながらドライヤーで乾かしてみて。反対側からも行うと、くっきりした分け目がぼやけますよ。ぜひお試しを。
【質問5】伊熊さんについて
髪だけでなく肌や見た目全般、エイジングでいろんな変化が現れますが、どのようにエイジングと向き合ってきましたか?
いつもSNSで素敵な姿を拝見しているため、どのようにポジティブなマインドで生きられているのか気になります! ーあーこ 50代女性
うわぁ、とてもうれしいお言葉です。ありがとうございます。
長年、美容エディターとして取材などでさまざまな方にお会いし、お話をうかがい、今感じることは「大人の女性の美しさはいかに自然であるか」が大切だということです。そしてその自然さは「健康」という土台の上でしか成り立たないものだと確信しています。
お金をかければ即美しくなれる美容はたくさんあります。でも、どれほど外側を整えても、土台となる体が疲れていたり、冷えていたり、緊張していたりすると、その美しさを長く保つことが難しくなってしまいます。そこで、私は自分の小さな変化に鈍感にならないように意識しています。
たとえば「今日は手足が冷えるな」と感じたら温める工夫をする、「肩がこるな」と思ったら歩く・ストレッチをする。毎日お風呂に浸かって体をリセットする。食事ではタンパク質多め、低糖質の食習慣を心がけるなど。ストイックにやると、それもまた面倒でストレスになるので、できる範囲で気づいたときに行うレベルのゆる〜い感じです。その積み重ねが髪や肌のエイジングケアになり、私にとっては心の安定やポジティブさにもつながっているのだと思います。健康的で、信頼できる美容アイテムは積極的に取り入れますよ。コスメはもちろん、美容家電も大好きで、ついいろいろ試してしまいます(笑)。
このたったひとつの体を100年大切に使い続けていくため、自分を労わることこそ最終的には美容につながる。あえての「長期視点」を意識して、日々ゆるやかにエイジングと向き合っています。

まとめ
髪質や白髪、うねり、抜け毛などの悩みは、年齢とともに誰にでも少しずつ現れてくるものです。
今回は、そうした変化を「否定するもの」ではなく、「今の自分を知るサイン」として捉え、日常のケアや考え方で無理なく向き合うヒントを、伊熊さんに教えていただきました。
大切なのは、完璧を目指すことよりも、今の自分に合った方法を選び、心地よく続けていくこと。
髪の変化に戸惑ったときこそ、伊熊さんの回答をヒントに、自分をいたわる時間を少しだけ増やしてみてください。それが、これからの美しさにつながっていくはずです。








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