美肌菌が減ると髪はどうなる?頭皮環境から考えるエイジングケアを研究員が解説

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「美肌菌」と聞くと、顔や肌の美容で話題になることが多い言葉ですが、実は頭皮にも「美肌菌」が存在することは知らない方が多いのではないでしょうか。今回は「美肌菌」がどういうものなのか、また「美肌菌」が頭皮に与える影響などを研究員の解説を交えてご紹介します。

この記事を監修した人

DEMI毛髪科学研究所 Y.F

DEMI毛髪科学研究所 Y.F

18年間化粧品の研究開発一筋でヘアカラーやスタイリング剤、ヘアケアなど様々な商品開発を担当し、豊富な知識と経験でヒット商品を続々と開発。
近年ではスカルプケアの研究開発に注力し数多くのスカルプケア商品の開発を担当。

「美肌菌」って何? 

「美肌菌」というのは正式な菌の名前ではなく、肌や頭皮の環境を健やかに保つ働きをもつ常在菌(マイクロバイオーム) の総称です。その中でも代表的な菌が「表皮ブドウ球菌」で、この菌が多いと肌トラブルが起こりにくいと言われています。

表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)
・抗菌ペプチドを産生
・病原性菌の増殖を抑制
・皮膚の保湿やバリア機能に関与
健康な肌・頭皮に多く見られる代表的な善玉菌です。

研究者から見た「頭皮の美肌菌」の重要性 

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顔や肌だけでなく、実は頭皮にも同じように「美肌菌」があり、健康な頭皮環境をつくる鍵となっています。 私たちの頭皮には常に数多くの菌が棲み、皮脂の分解、バリア機能維持、炎症抑制などに寄与している可能性が研究で示されています。

頭皮における「美肌菌」の役割とは? 

① 頭皮バリアのサポート

頭皮に棲む[すむ]菌のバランスが整っていると、バリア機能が活性化し乾燥や刺激に強い頭皮環境に近づきます。これは、皮膚で言われる美肌菌の働きと同じ考え方です。

② 炎症・かゆみの軽減と関係

研究では、頭皮の炎症やかゆみの発生メカニズムに環境刺激が関与していることが報告され、アプローチ素材の発見や評価が続けられています。

③ 髪の成長環境(毛包)への影響

頭皮マイクロバイオームは、毛包(髪が生える根元部分)の生理学的状態にも影響を与える可能性が示されています。これは頭皮のバランス(pH・湿度・皮脂環境等)が毛根に影響を与えるためで、健康的な頭皮環境が髪の成長を支える基盤になると考えられています。

研究者の視点

「バランスを整える」ことが大切 

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頭皮の微生物叢[びせいぶつそう]には良い菌(善玉菌)だけではなく、環境の変化やストレスによって増えすぎるとトラブルの原因となる菌も存在します。皮脂やシャンプー、紫外線などの外的ストレスが頭皮環境を揺るがすと、バランスの崩れ=ディスバイオーシス(不均衡)と言われる状態になりやすいのです。

このバランスを整えるケアは、単純に「菌を増やす・減らす」という発想ではなく、
重要なのは「善玉菌を増やす」よりも、以下の環境条件を整えることが重要です。

✔ 過剰洗浄を避ける
✔ 頭皮の保湿
✔ 弱酸性環境の維持
✔ 皮脂バランスのコントロール

「美肌菌」はシャンプー後に減るって本当? 

DEMI毛髪科学研究所 Y.F

結論から言うと――

一時的には「減る」が、ゼロにはならない

シャンプー後に「美肌菌」は一時的に減少します。ただし、完全にいなくなるわけではありません。シャンプーで皮脂、汗、古い角質、汚れを洗い流すときに、菌の一部も一緒に物理的に除去されます。これは悪いことではなく、自然な現象です。皮膚や頭皮の「美肌菌」 は毛穴(毛包)や角層の深部に存在しているため、数時間〜1日ほどで再び増殖し、元のバランスに近づきます。

ただし、元のバランスに戻るまでは頭皮のうるおいがなくなるため、日常的に意識したヘアケアを行うことをおすすめします。

美肌菌とエイジングの関係 

年齢とともに皮膚の菌バランスは変化します。皮膚や頭皮には「皮膚マイクロバイオーム(常在菌叢)」が存在しますが、この構成は年齢・皮脂量・ホルモンの変化などによって変わることが知られています。 

特に年齢を重ねると

・皮脂分泌量の低下
・角層水分量の低下
・皮膚バリア機能の低下

といった変化が起こり、菌が住みやすい環境も変化します。その結果、菌のバランスが若い頃とは異なる状態になります。

頭皮は顔より皮脂や毛包が多いという特徴があります。そのため年齢による変化は皮脂量の変化、ホルモンバランスの影響を強く受け、
結果として

✔ フケ
✔ かゆみ
✔ 乾燥
✔ 抜け毛

などの頭皮トラブルと関係する可能性があります。

DEMI毛髪科学研究所 Y.F

年齢を重ねると皮脂量や水分量が変化するため、頭皮の常在菌のバランスも少しずつ変化します。そのためエイジングケアでは、菌を増やすというよりも「菌が安定して共存できる頭皮環境を整えること」が重要だと考えられています。

日常の頭皮・髪ケアで意識したい習慣 

次のようなことが頭皮環境のバランスを整えるヒントになります。

・ 過度な洗浄や刺激の強いシャンプーを控える

・ 頭皮用トリートメントやエッセンスなどを活用し頭皮の乾燥を防ぐ

・ 紫外線対策を行う

・睡眠や食生活など生活リズムを整える

これらは頭皮に優しい環境をつくるための基本であり、美肌菌のバランスを崩さない「環境づくり」に寄与します。

まとめ

「美肌菌」と呼ばれる頭皮の常在菌は、私たちの頭皮環境を支える大切な存在です。健やかな頭皮と髪のために、美肌菌を「増やす」ことよりも、菌が安定して共存できる頭皮環境を整えることが重要です。日々の洗浄や保湿、生活習慣を見直しながら、頭皮から整えるケアを意識してみてはいかがでしょうか。

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