酸熱トリートメントって何?期待できる効果から注意点まで徹底解説

髪の傷みやクセを改善し、美しい髪にする方法として「酸熱トリートメント」があります。でも、気になってはいるものの、どのような施術なのかがわからずチャレンジできていない、という方もいることでしょう。
そこで今回は、酸熱トリートメントの特徴や期待できる効果、酸熱トリートメントが向いている方の特徴などを紹介します。
目次
酸熱トリートメントとは

酸熱トリートメントとは、髪のクセを落ち着かせる「髪質改善トリートメント」の一種です。
タンパク質の結合を強化する作用をもつ成分を配合した薬剤を髪に施術し、仕上げにヘアアイロンなどで熱を加えます。するとダメージで弱くなったタンパク質の結合を補強し、ツヤのあるストレートヘアが作り出せるという仕組みです。
酸熱トリートメントと縮毛矯正との違い
髪をストレートにする施術というと縮毛矯正を思い浮かべる方が多いと思いますが、縮毛矯正と酸熱トリートメントは大きく異なります。特に違うのが髪にかかる負担の大きさです。
縮毛矯正では、まず強力な薬剤を使って髪のタンパク質の結合を断ち切り、髪を柔らかくします。そして、柔らかくなった髪をヘアアイロンでストレートにし、タンパク質を再結合させる薬剤を塗布して真っ直ぐな状態を記憶させます。
強制的に髪のタンパク質を断ち切る施術なので、クセやうねりが強い髪でもストレートにできる一方で、髪に大きな負担がかかるのがデメリットです。また、髪が真っ直ぐすぎる、不自然な仕上がりになる場合があります。
対して、酸熱トリートメントは、髪のタンパク質の結合を無理やり断ち切ることはありません。薬剤と熱の力で新たにタンパク質を結合させ、髪のダメージを修復することでクセやうねりを軽減します。
そのため、縮毛矯正ほど強力にクセやうねりを伸ばすことはできませんが、髪にかかる負担を軽減できます。無理やり作られたストレートヘアではなく、自然で健康的なストレートヘアになるのも特徴です。
髪質改善トリートメントと縮毛矯正の効果については、こちらをご覧ください。
酸熱トリートメントで期待できる効果

酸熱トリートメントに期待できる主な効果は下記の通りです。
- ダメージヘアを修復する
- 髪のクセやうねりを改善する
- 髪にツヤとハリを与える
- サラサラで指通りの良い髪に導く
酸熱トリートメントはダメージで弱くなった髪のタンパク質の結合を補強するため、髪のダメージやクセ、うねりの改善に役立ちます。また、使用する薬剤にもよりますが、髪にツヤやハリを出したりサラサラにしたりといった効果も期待できます。
酸熱トリートメントの種類
酸熱トリートメントで使用する薬剤には下記の3種類があり、それぞれ期待できる効果や適した髪質が違います。
- グリオキシル酸を主成分とする薬剤
- レブリン酸を主成分とする薬剤
- サリチル酸を主成分とする薬剤
薬剤ごとには、それぞれ次のような特徴があります。
グリオキシル酸を主成分とする酸熱トリートメント
グリオキシル酸を主成分とする薬剤を用いた酸熱トリートメントは、クセやうねりを落ち着かせる効果が期待できます。また、髪にハリやコシが出るのもメリットです。ただし、ヘアカラーが色褪せやすいというデメリットがあります。
レブリン酸を主成分とする酸熱トリートメント
レブリン酸を主成分とする薬剤を用いた酸熱トリートメントは、柔らかでツヤのあるサラサラ髪に導くのが特徴です。ゴワゴワ、ザラザラしていて手触りが良くない髪のケアに向いています。ヘアカラーが色褪せにくいのもメリットです。
サリチル酸を主成分とする酸熱トリートメント
サリチル酸を主成分とする薬剤を用いた酸熱トリートメントは、クセやうねりを改善する効果があまり高くありません。その一方で、効果が穏やかなのでパーマをかけた髪のお手入れに向いており、ナチュラルな仕上がりを目指せます。
酸熱トリートメントのメリット

酸熱トリートメントの主なメリットは下記の3つです。
- 髪に負担がかかりにくい
- 効果が長続きしやすい
- ハリやコシがある艶やかな髪になる
特に大きなメリットが、髪へのダメージを抑えつつ、クセやうねりを改善したり髪のボリュームを抑えたりできることです。髪のダメージを修復して強くするため、効果が長続きしやすいというメリットもあります。
また、施術の過程で髪から余分な水分を飛ばすので、ハリやコシのある艶やかな髪に仕上がるのも魅力です。
酸熱トリートメントをする際の注意点
酸熱トリートメントをする際には、下記の点に注意が必要です。
- クセやうねりを大きくは改善できないことがある
- ヘアカラーが色褪せてしまうことがある
酸熱トリートメントは縮毛矯正のように、強制的にタンパク質を断ち切ってストレートヘアにする施術ではありません。
髪のダメージを修復してクセやうねりを落ち着かせる施術であるため、大きくは改善できない場合があります。特に修復箇所が少ない健康的な髪の場合は、思うような結果が得られないかもしれません。
縮毛矯正と酸熱トリートメントのどちらを受けるべきかを自分で判断するのは難しいので、美容師に相談してみましょう。
また、酸熱トリートメントで使用する薬剤とアルカリ性のヘアカラーは、あまり相性が良くありません。
ヘアカラー後の髪で酸熱トリートメントを行うと色褪せてしまう場合があるので、やはり美容師に相談した上で施術を受けるかどうか決めることをおすすめします。
酸熱トリートメントが向いている人
酸熱トリートメントが向いているのは、下記の特徴に該当する人です。
- 髪のダメージが気になっている人
- 髪への負担を抑えつつ、クセやうねりを改善したい人
- ナチュラルなストレートヘアを希望している人
- 細く柔らかい髪に困っている人
- ヘアカラーをしていない人
先述の通り、酸熱トリートメントは施術の過程でタンパク質の結合を補強するため、髪の傷みに悩んでいる方におすすめです。
縮毛矯正ほどダメージを与えないため、「クセやうねりを何とかしたいけど、髪に負担をかけたくない」という方にも向いています。効果が穏やかでナチュラルに仕上がるので、縮毛矯正だと真っ直ぐになりすぎて不自然さが出る方でも満足できるでしょう。
また、グリオキシル酸配合の薬剤を使った酸熱トリートメントなら髪にハリやコシが出るため、髪が柔らかすぎて扱いに困っている方にもぴったりです。ただし、ヘアカラーが褪色する場合があるので注意しましょう。
まとめ
酸熱トリートメントは、薬剤と熱の力で髪のタンパク質を新たに結合させ、髪のクセやうねりを改善する施術です。縮毛矯正よりも髪に負担がかかりにくく、仕上がりもナチュラルなので、縮毛矯正に抵抗がある方でもトライしやすいでしょう。
ただし、酸熱トリートメントは3種類あり、それぞれ期待できる効果や適した髪質が異なります。また、髪質によっては思うような効果が得られなかったり、ヘアカラーが色褪せてしまったりすることがある点にも注意が必要です。
酸熱トリートメントが向いているか、どの酸熱トリートメントにすべきか、美容師に相談してみると良いでしょう。