デミ毛髪科学研究所 研究レポート Vol.3_頭皮のかゆみスパイラルを原因から抑制する成分を発見。健康で美しい髪を導くスカルプケア商品製品の開発に期待。

この記事では、デミ毛髪科学研究所研究レポート第三弾として、頭皮かゆみを抑制する成分を発見したことについてレポートします。
目次
研究の背景
かゆみは、皮膚・粘膜・角膜のみで生じ、「引っ掻く欲望を伴う不快で特有の感覚」です。かゆみに悩む人は年代や性別を問わず多数おり、頭皮の悩みでも常に上位にあげられています。
デミ毛髪科学研究所では、「かゆみスパイラル」に陥ることにより慢性的な肌荒れ状態となることが、抜け毛やハリコシ低下など美髪を妨げる原因にもなるため、「かゆみ」を根本からケアするための抑制対策の研究に取り組みました。
かゆみスパイラルって?
そもそも「かゆい」という感覚は、皮膚の神経細胞が感知し、脳に伝達することで感じます。かゆみを感じる神経は、健康な頭皮では皮膚の奥(真皮層)に存在するため、わずかな刺激ではかゆみは感じません。けれども、荒れた皮膚では神経細胞の成長を促進するNGFが増え、表皮層にまで神経細胞が浸入するため、わずかな刺激でも敏感に反応しかゆみを感じやすくなります。かゆみを感じて引っ掻いてしまう、掻くことで皮膚が荒れてさらにかゆみを感じやすくなる、このような悪循環が「かゆみスパイラル」です。
神経成長因子(NGF)とは?
NGF(Nerve Growth Factor)は、神経細胞を成長させたり、守ったりするタンパク質のことです。
NGFとかゆみの関係って?
1.環境刺激が皮膚肌に当たると…
紫外線(UV)
乾燥
花粉やホコリなどの微粒子や異物
が皮膚肌の刺激になります。
2.皮膚が反応して「NGF」を出す
皮膚が刺激に反応して、NGFをたくさん作り出すようになります。
3.NGFが神経細胞を成長させ、かゆみを感知しやすくなる
神経細胞が表皮層まで伸びることで物理的に刺激との距離が近くなり、細胞が刺激をキャッチしやすくなります。
4.結果 → ちょっとの刺激でも「かゆい!」
つまり、NGFが増えると、皮膚でかゆみを感じやすい肌にくなるのです。
かゆみスパイラルを打破する研究
デミ毛髪科学研究所では、かゆみを感じる神経細胞の成長を促すNGFの増加がかゆみ誘発の一因になることに着目。このNGFを抑制する成分を探索し、かゆみ抑制効果を検証しました。
かゆみを感じにくくする成分の発見
研究の結果、メカブ抽出物・ヒジキ抽出物・納豆抽出物の混合物がNGF発現を抑制し、頭皮のかゆみを抑制する効果があることを発見しました。

図1 環境刺激に対する機能性成分の組み合わせによるNGF発現抑制イメージ

図2 試験開始時を100%とした時のかゆみスコアの低減率
今後の展開
日華化学では、本研究にて確認された成果を活かし、これらの組合せ成分を配合した多くの頭皮悩みを抱える人々に向けたスカルプケア商品の開発を目指します。
デミ毛髪科学研究所
デミ毛髪科学研究所は、1984年に設立されてから約40年にわたり、頭皮と毛髪の研究に取り組んでいます。研究所内だけにとどまることなく、専門機関や大学との共同研究や、髪のスペシャリストでもある美容師様と連携し、日本人の髪を誰よりも理解し、美しくする研究所を目指して、独自性のある開発を続けています。
基礎研究 2035年ビジョン「すべての人に10代のころのような美しい髪を」
デミ毛髪科学研究所では、新たに美髪再生プロジェクトをスタートさせました。「すべての人に10代のころのような美しい髪を」を基礎研究のビジョンに掲げ、研究活動に取り組んでいます。
専門機関や大学と連携し、最も美しいとされる10 代のころのような美髪へ導き、維持させるための研究に集中特化していきます。

※写真・イラストはすべてイメージです
その他のデミ毛髪科学研究所 研究レポートは下記をご覧ください。
まとめ
デミ毛髪科学研究所の研究レポートでは、頭皮のかゆみスパイラルのメカニズムを解明し、その抑制成分を発見したことが報告されています。この研究は、健康で美しい髪を維持するためのスカルプケア製品の開発につながることが期待されています。